陽介山の投資心得ブログ

先人と歴史に学ぶ投資の考え方

ケビン・オリアリー氏のトップ銘柄。経済再開後もデジタル化の波は変わらない。ゴールドはインフレに対するヘッジ手段&すぐにビットコインに替わることなない。

O'Shark Tank のチェアマン & スターであり、O'Shares ETFの会長でもあるケビン・オリアリー氏が Kitco News で2021年経済の展望、自身の保有銘柄セクター、ゴールドについて語っています。

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(私はシャークタンクも観ていましたし、ドラゴンファンも観ていました。大学時代からあなたの仕事を観てきましたので、今日お話できて本当に光栄です。まず、あなたの経済見通しのテーマから始めたいと思います。今年はアメリカ中のすべての企業、そして中小企業、大企業にとって困難な年でした。我々はこれ2021年以降、回復することができるのでしょうか?)

「私たちは80%は不利益を被っているセクターであることを知っています。消費者の嗜好や購入方法には恒久的な変化が見られます。多くの企業が出張や会食のコストを50%も削減しているので、2021年には出張者にサービスを提供するモーテル・ホテルは厳しい状況になるでしょう。またそもそも出張ができなくなり、それを代替する技術を使うことを余儀なくされました。我々は今、ズームでクライアントの投資家などのオンラインで多くの会議を行い、思いのほかとても効率的です。将来的にこのスタイルを変更する必要性すらなくなってしまいました。時間とお金と旅行を節約できます。私はすべての分野に投資をしていますが、プライベート・ポートフォリオのリバランスも始めています。商業用不動産のエクスポージャーを31%から8%に減らすなどしています。」

 

(あなたはデジタル化に関するセクターを有望視されていますが、経済活動が再開された後、その戦略がリスクになることはないですか?アマゾンやショピファイが失速するなど。)

「それはないと思います。私はインデックス会社に関わっています。フローを見てインデックスを作成し、素晴らしいETFができあがります。企業の一例を挙げると、Nikesがあります。小売店への依存度が低く、世界中の人々に直接を製品を販売しています。マージンははるかに高くなります。それを実現しているのがテクノロジーです。だから、再び、そのセクターをインデックス化しようとしています。そういったインデックスは年率100%以上で上昇しています。」

 

(財政刺激策が実施されることになりそうです。来年、明らかに多くの株式指数を押し上げる大きな要因となりそうです。)

「次の18か月間金利がゼロになると思います。投資家にとっては良いニュースです。年率20, 30, 40%で成長する企業株を保有していますが、それらを金利がゼロの時に投資できました。テクノロジーは私のお気に入りのセクターの一つです。2021年に向けてはそれにヘルスケア個人消費を加えた3つの分野に注目しています。私は商業用不動産へのエクスポージャーを減らしています。それは、どこもかしこも借地権を減らしているからです。小売店はあちこちでリースを解約しています。その逆風に巻き込まれたくないので、それらのエクスポージャーを減らし、先ほど述べた3つの分野に資本を投入しています。」

 

(私は、シャークタンクを観ていますので、あなたがバリュエーションがとても重要視していることを知っています。テック業界のバリュエーションの話をしましょう。アナリストと話をすると賛否両論あります。1つは現在のバリュエーション同意しているということです。一方では、既に価格は高騰し過ぎており、この分野に参入するのは難しいということを聞くこともあります。あなたはテック株の現在のバリュエーションは過剰にストレッチされていると思いますか?

そうは思いません。通常、ハイテク企業のバリュエーションは、製造会社や自動車会社のバリュエーションとは異なり、フリーキャッシュフローの何倍かです。これは私が何十年も規律にしてきたことでもあります。ただ、私がハイテク企業を評価する際には、バランスシートの強さと売上高の成長を重視しています。14年前にアマゾンのフリーキャッシュフローや従来の倍率だけを見ていたら、その企業に投資することはなかったでしょう。それでも、市場ではこれまで見たこともないような最高のリターンを上げています。セクターを見て、投資家がどのように測定しているかに基づいて、自分の規律を決めました。フェイスブックに早くから投資を始めて、それがどうなったかは見ての通りです。グーグルも同じですね。私は従来よりこれらのすべてに投資してきました。主に私の会社の成長のために製品を使用し、ライセンスを購入していますので、彼らのビジネスモデルもよく知っています。ズームのエンタープライズ版のライセンスも取得しているので、ズームがどのように機能するかを知っています。」

 

(テクノロジー企業の上昇だけでなく、ゴールドや他の安全資産の上昇もあります。逆相関関係の中で動いています。以前あなたが話したように、人々はレンガやモーター株から離れて、テクノロジー株に向かいました。同時に、彼らはパンデミックを恐れ、経済と投資はゴールドに移動する。この話は 2021年にも適用できますか?)

ゴールドは伝統的にインフレに対するヘッジでした。インフレに対するヘッジをしたければ、今はゴールドが必要です。特に債券市場を見ているとインフレになりやすい傾向にあります。だから、私たちは金塊を常に5%のウェイトで配分しています。金塊の保管費用を支払い、ポジションの2.5%のウェイトで保管し、その後、ETFを利用して、毎月または四半期ごとにバランスを取り、5%に戻したりしています。そして、私は長い時間をかけてそれを行ってきました 他の投資家は、最近同じことをしています。何人かの人々は、ビットコインがその代わりになるかもしれないと示唆しています。今の所、3月のビットコインの動きを見ても、私はまだ逆相関関係を発見していません。ゴールドの代替であることの確信も得てません。」

 

( あなたはゴールドへの投資比率を高めること検討していますか?来年はインフレの確率がさらに高まるかもしれませんが。)

「ゴールドの保有は5%程度です。また、それに加えて株・債権 50 : 50から、株式割合を70%に増やしています。時価総額加重型のS&P500のようなインデックスは買わないことにしています。S&P500の中には多くの企業が入っていますが、私が所有したいと思う銘柄は100程度しかないからです。 私が関与しているOh USAと呼ばれるインデックスを使っていて、それは主にビジネスモデルとフリーキャッシュフローの強い米国配当銘柄です。インフレを懸念しているので、債権から、そういった株に保有割合を移しました。」

 

(さて、ゴールドについての質問です。以前あなたが番組に出演した際に、金鉱山会社が好きではないことを視聴者に話していました。その理由は、リターンのチャンスより、経営陣のリスクの方が大きいからとのことでした。私は、金鉱山会社が好きな多くのアナリストともそのような議論をしてきました。今年はどうでしょうか?金鉱山会社の存在感は増しているようですが。考えは変わりませんか?)

「そういう意味ではありません。思い出してください。ゴールドの会社に経営者が存在する唯一の理由は、毎日市場価格に基づいて価値を持っている商品を抽出することです。彼らは実際にはあなたの邪魔をしています。あなたが少しでも有利になると、あなたの間に入ってしまうからです。私が言いたいのは、経営者のことではありません。大多数の金管理者は、今も昔もコスト管理能力を発揮したことがありません。ですから、私は彼らのモデルでのコスト予測能力を非常に批判しています。彼らは信じられないほど下手です。おそらく、S&P500の中で最も弱いセクターの一つでしょう。なぜ、単純に金属を買うことができないのでしょうか。私には雑音にしか聞こえません。だから私は商品から馬鹿な経営者を引き抜こうとしています。」

 

(もし、私がゴールドを産出する中堅企業の最高経営責任者だったとして、シャークタンクに出演してあなたに投資を依頼したとします。

”ケビン、私のバランスシートを見てください。今年は劇的に拡大しました。借金を返済しました。現金は拡大しました。フリーキャッシュフローはかつてないほど良好です。利回りはこれまで以上に高く、IRRは低下しています。配当を約束します。”

さて、何と答えますか?(笑))

「地合が出たらゴールドを買え。そして私にも電話しなさい(笑)」

 

(2021年のメタル市場はどうなりそうですか?)

「とても楽しみにしています。私は引き続きその市場に居続けるでしょう。流動性の高いETF私はその割り当てを増やすかもしれません。私はGLDを使用します。メタルそのものへの投資が一番シンプルです。」

 

 

引用元

youtu.be